季節の賄い料理

当時の板場の修行は、鍋洗いから始まり、アヒルとも呼ばれた。

味見できればと、、鍋底の煮汁をちょっと舐めた。必ずと言っていい程、

洗剤が入っていた。若い調理師は肩を落とした。

手はあかぎれ、腫れあがりバンソウコウだらけ。不器用だった自分を懐かしく思う。

 

日々の仕事を覚えることで一枚ずつ剥がれていったのは、つい最近の事に感じる。

本日の賄い料理は、山菜チヤーハン。雑穀米とほろ苦い山菜のハカマを集めたクズ、

貴重な部位。漸く到来の春の香りに感謝です。火加減やバランスの良い調味料の

使い方はプロの仕上がり。若い頃を振り返ると、唯一自分が自由に作れる料理は

「賄い料理」のみ。毎日苦戦しながらも、先輩達に美味しいと言われた時には、

嬉しさが込みあがる。自分の作った料理を美味しい!お客様に褒めていただき、

何度も足を運んでいただくようになるには、日々の厳しい技術の習得が必要。

しかしその結果、喜びが何十倍も大きいと言うのが「プロ」の世界。

料理の世界は、会社組織のような年功序列ではなく、腕一つでお客様を喜ばせたり、

又、上に行くことができる 云わば職人の世界でもあります。初心を心得、

その時の純粋な熱い気持ちを思い出して、自分がこの道を何故志したのかを大切にし、

料理の道に突き進んでほしい。御馳走様でした!!