季節に合った食材を吟味できるのは、日本料理ならではの
醍醐味でもあります。
本日のまかないは、ブリ大根 野沢菜の古漬け、
船場仕立て汁。
脂ののったブリのあらで出汁を取り、大根、人参、
たけのこ、どれも旬の物尽くし。
少々生姜の香りがします。体が温まりますね。
見た目はただの料理ですが、工夫がこなされています。
自分の過去を思えば、お客様に出す素材と同じものを食べる
ことは持っての他でしたし、前の日残ったご飯を再び蒸して食べたり、
生卵のみの時もありました。
忙しい時には、雑炊や煮込みうどんなど、すぐに食べて厨房に戻る事が
出来るように考えていた頃を懐かしく思います。
まかないは、交代で立ってたべる時代でしたので、ゆっくり食べていると
上司からガチで怒鳴られることも何度もありました。
ですが、そんなときでも先輩が材料を提供してくれたり、冷めても
美味しい料理法や、パンクして失敗してしまった茶碗蒸しを
使っての料理、忙しい時の裏ワザ、盛付け方、美味しく見せる彩りなど・・
得たものは沢山あります。
毎日苦戦していましたが、修行中で自分の思うような味付けが出来るのは、
この時だけでしたので、大変でしたが楽しくもありました。
又、初めて煮方として、鍋を振らせて頂いた年末、お正月料理の八つ頭(芋)を
400個真っ黒焦げに焦がしてまい、どうすることの出来ない芋を見事先輩が
他の料理に変えた発想の転換は今でも忘れられません。
先輩も苦労した分、自分の引き出しが沢山出来たということですね。
御馳走様でした!!
